創業融資コンサルには依頼すべき?メリット・デメリットや選び方のポイントを解説

事業を始める際に、資金調達という壁に直面する人も多いでしょう。いざ創業融資の準備を始めてみると、「事業計画書はどのように書けばいい?」「面談でうまく説明できるだろうか?」など、創業融資に関する悩みは尽きません。
そこで、不安な創業者の強い味方となるのが、創業融資コンサルタントです。本記事では、創業融資コンサルタントに依頼するメリット・デメリットから、失敗しない選び方のポイントまで解説します。
創業融資コンサルタントとは?
創業融資コンサルタントは、融資申請を成功に導く資金調達のプロです。その役割は単に書類の作成を代行するだけにとどまりません。金融機関の視点を熟知しているからこそ、事業の将来性や返済能力が伝わる「論理的な事業計画書の作成」や「説得力のある面談の準備」などを一貫してサポートできるのです。事業者の想いを形にし、融資の成功確率を最大限に高めてくれる、心強いパートナーといえるでしょう。
▼融資審査を通りやすい事業計画書の書き方について知りたい場合には、こちらの記事もおすすめです。
融資審査を通りやすい事業計画書の書き方とは?
費用相場と料金体系
創業融資コンサルタントの料金体系は、主に「着手金」と「成功報酬」で構成されています。着手金は契約時に支払う費用で、数万円が相場です。(※無料の事務所も存在します。)一方の成功報酬は、融資が実行された場合にのみ支払う費用であり、融資額の3〜5%が一般的な相場です。たとえば、500万円の融資が成功した場合、報酬額は15〜25万円となります。注意点として、法律(貸金業法)により、融資を仲介する際の手数料は融資額の5%が上限と定められています。上限を超える報酬を請求する業者には、注意が必要です。
創業融資コンサルタントに依頼する5つのメリット
創業融資コンサルタントへの依頼を考えるとき、多くの人が「融資の成功率」に目を向けがちです。しかし、専門家に相談するメリットはほかにも存在します。ここでは、創業融資コンサルタントに依頼する「5つのメリット」について解説します。
融資の成功率が上がり、希望額を獲得しやすくなる
創業融資コンサルタントに依頼すると、融資の成功率が上がるのはもちろんのこと、希望額も獲得しやすくなります。なぜなら、融資のプロは「金融機関が審査でどういった点を重視するか」を熟知しているからです。
また、事業の強みや将来性を分かりやすく伝えられる「説得力のある事業計画書」を作成することも可能です。さらに、審査官との面談でよく聞かれる質問も把握しているため、事前に適切な面接対策を実施してもらうことも可能でしょう。
時間と労力を大幅に削減できる
創業期の経営者は、事業の準備や人材確保など、やるべきことが山積みです。多忙な中で不慣れな融資申請を行うのは大きな負担となります。しかし、こうした煩雑な作業を専門家に任せることで、経営者は本来注力すべき事業の準備に時間とエネルギーを集中させられるでしょう。さらに、専門家は手続きを円滑に進めるノウハウを持つため、ご自身で進めるよりもスピーディーに融資が実行される傾向にあります。
本業の準備に集中できる
資金調達は、事業を始めるための「一つの手段」にすぎません。しかし、資金調達に向けて不慣れな作業に多くの時間を取られてしまうと、最も力を入れるべき「事業の準備」がおろそかになりがちです。そこで、専門的な業務を創業融資コンサルタントに任せれば、創業者は「事業の立ち上げに重要なほかの仕事」に集中しやすくなります。その結果、事業を軌道に乗せるための、力強いスタートを切りやすくなるでしょう。
事業計画の質が向上し、事業の成功確度が高まる
創業融資コンサルタントは、客観的な立場から事業計画を評価してくれます。そのため、自分だけでは見落としがちなビジネスモデルの弱点や収支計画の甘さについて、アドバイスを受けることが可能です。専門的な視点から見た客観的な意見を取り入れることで、計画の精度を向上させやすくなるでしょう。適切なプロセスを経て事業計画が磨かれると、融資審査に有利になるだけでなく、融資が実行された後の安定した事業運営にもつながります。
最適な資金調達先を提案してもらえる
創業融資コンサルタントに依頼すると、最適な資金調達先を提案してもらえます。日本政策金融公庫はもちろんのこと、自治体の制度融資や民間金融機関など、創業者が利用できるさまざまな融資制度を熟知しているからです。
また、自社の事業内容や状況に合わせて、金利や保証人の有無といった条件を比較しつつ、最も有利な資金調達先を提案してもらうことも可能です。有利な資金調達先から融資を受けられれば、将来の返済負担を軽減できる可能性も高まります。
創業融資コンサルタントへの依頼前に知っておくべき3つのデメリットと注意点
創業融資コンサルタントへの依頼は心強い反面、デメリットが存在することも事実です。ここでは、創業融資コンサルタントに依頼する際に、知っておくべきデメリットと注意点について解説します。
創業初期の貴重な資金の一部を割く必要がある
創業融資コンサルタントへの依頼には、費用がかかります。多くの場合、融資額に応じた成功報酬や、契約時の着手金が必要です。成功報酬や着手金は、創業初期の自己資金から支払うケースが一般的です。自己資金は融資審査における評価項目の一つであり、自己資金が減ると、審査に影響を与える可能性も否定できません。また、事業開始後の資金繰りが厳しくなるリスクもあります。そのため、依頼するメリットと、支払う費用のバランスを検討し、費用対効果を見極めることが大切です。
▼適切な資本金額について知りたい場合には、以下の記事もおすすめです。
法人化の資本金はいくらが正解?金額を決める5つの視点を解説
コンサルタントの能力に結果が左右される
創業融資コンサルタントといっても、能力や経験はさまざまです。優秀な専門家がいる一方で、経験が浅かったり、業種への理解が不足していたりするコンサルタントも存在します。能力の低いコンサルタントを選んでしまうと、的確なアドバイスが得られない可能性があるでしょう。その結果、費用と時間を費やしたにもかかわらず、融資が実行されない事態も考えられます。依頼先を選ぶ際は、過去の実績や得意分野、評判などをリサーチし、能力を見極めることが大切です。
悪質な業者に依頼してしまうリスクがある
残念ながら、創業融資を目指す起業家につけ込む業者も存在します。これらの業者は「100%融資可能」といった甘い言葉で誘い、法外に高額な手数料を請求したり、ずさんなサポートしか提供しなかったりすることがあります。決算書の改ざんや自己資金を多く見せかける「見せ金」といった、虚偽の申告をそそのかす業者にも注意が必要です。違法行為に手を染めると、融資が受けられないだけでなく、詐欺罪に問われる可能性もあります。悪質な業者に依頼しないよう、契約内容を十分に確認したうえで、少しでも怪しいと感じたら依頼しない勇気が必要です。
失敗しない創業融資コンサルタントの選び方のポイント
創業融資コンサルタント選びは、融資の成否を分けるといっても過言ではありません。ここでは創業融資コンサルタント選びで後悔しないために、確認すべき5つのポイントについて解説します。
融資支援の実績は豊富で、公開されているか?
まず確認すべきは、融資支援の実績です。実績を公開していることは、コンサルタントの透明性と自信の表れだといえます。また、支援件数や融資の調達額をチェックすることで、コンサルタントの能力を判断する目安になります。公式Webサイトなどで、融資支援の実績が公開されているかを確認しましょう。
また件数だけでなく、どのような業種の支援例があるかもチェックすることが大切です。自社と近い業種の実績が豊富であれば、業界特有の事情を理解したうえでのアドバイスが期待できます。顧客の声や成功事例が掲載されていれば、さらに信頼性は高まるでしょう。
料金体系は明確か?
契約後のトラブルを避けるためにも、料金体系の確認は欠かせません。信頼できるコンサルタントは、着手金の有無・成功報酬の割合・その他の費用について、契約前に書面で詳しく説明してくれます。口頭だけではなく、必ず書面で内容を確認することもポイントです。
また、手数料の割合にも注意しましょう。出資法により、融資仲介手数料の上限は「融資額の5%まで」と定められているからです。5%を超える法外な手数料を請求する業者との契約は、避けた方がよいでしょう。また料金体系が不明瞭、質問に対して曖昧な回答だった場合にも、依頼を見送るのが賢明です。
専門家としての資格や経歴はあるか?
コンサルタントが持つ専門性も、選定における判断基準だといえます。たとえば、元銀行員や信用金庫の職員といった経歴があれば、金融機関側の視点を熟知する可能性が高いでしょう。また、税理士・公認会計士・中小企業診断士といった資格保有者であれば、財務や経営に関する知識に基づく、説得力のある事業計画を作成するなどの支援が期待できます。資格や経歴がすべてではないものの、「資格や経歴を保持する事実」は、専門知識を客観的に証明するものです。専門性の高いパートナーから支援を受けることで、事業計画の質が向上し、融資審査を有利に進められる可能性が高まるでしょう。
事業への理解と共感を示してくれるか?
創業融資コンサルタントを選ぶ場合、事業への理解と共感を示してくれるかも重要なチェックポイントです。なぜなら、融資を成功させるには、事業計画書や面談を通じて、事業の魅力や経営者の熱意を金融機関に伝える必要があるからです。コンサルタント自身が事業に共感していなければ、魅力を十分に引き出せないでしょう。
自社の話に真摯に耳を傾け、「事業のビジョンや情熱を理解しようと努めてくれるか」「分かりやすい言葉で説明してくれるか」など。コミュニケーションを通じて、信頼関係を築けそうか判断することが大切です。また判断する際には、無料相談の機会などを活用するとよいでしょう。
できないことは「できない」と正直に伝えてくれるか?
誠実なコンサルタントは、「できないこと」は「できない」と正直に伝えてくれます。一方で「100%融資が通る」「絶対に成功させる」といった、無責任で過剰な約束をする業者は信用できません。本当に創業者に寄り添うコンサルタントは、事業計画の弱点や審査における懸念材料など、ネガティブな情報も伝えてくれます。耳の痛い指摘であっても、事業のリスクを洗い出し、計画をより実現可能にするために不可欠な内容だといえます。安易な言葉で期待を持たせるのではなく、客観的な視点からリスクを伝え、現実的な解決策を一緒に考えてくれる誠実さこそ「信頼できるパートナーの証」です。
避けるべき悪質・違法なコンサルタントの特徴
残念ながら、創業融資を目指す人の弱みにつけ込む悪質なコンサルタントも存在します。悪質なコンサルタントに依頼すると、高額な手数料を支払ったあげく、融資を受けられないという事態にもなりかねません。ここでは、警戒すべき悪質・違法なコンサルタントの特徴について解説します。
審査に通らないと分かっていながら高額な着手金を請求する
悪質な業者の典型的な手口が、融資の可能性が低いと分かっていながら契約を結び、高額な着手金を請求するケースです。事業計画に大きな不備があったり、自己資金が著しく不足していたりする場合でも、「絶対に大丈夫」「任せてください」などと無責任な言葉で契約を促します。彼らの目的は融資を成功させることではなく、返金義務のない着手金やコンサルティング料を搾取することです。結果として、融資は実行されず、支払った費用だけが手元から消えてしまいます。貴重な創業資金と時間を無駄にしないためにも、根拠を具体的に示さず、高額な前払いを要求する業者には注意が必要です。
決算書の偽造など金融機関を欺く違法な方法を提案する
「売上を多く見せましょう」「一時的に自己資金があるように見せましょう」といった、決算書の偽造や「見せ金」などの不正行為を提案するコンサルタントは避けるべきです。不正行為を提案してくるのは、コンサルタントに金融機関を納得させるだけの正当な能力やノウハウがないことの表れです。提案に応じてしまうと、融資が受けられないどころか、自分が詐欺罪に問われる可能性もあるでしょう。
また不正が一度でも発覚すれば、その金融機関からは二度と融資を受けられなくなり、信用情報にも傷がつきます。甘い言葉に聞こえても、不正をそそのかす業者とは関わらないことが大切です。
創業融資に関するご相談は二見達彦税理士事務所にお任せください
本記事では、創業融資コンサルタントに依頼するメリット・デメリットから、失敗しない選び方までを解説しました。信頼できる専門家は融資成功の味方になりますが、悪質な業者も存在するため、パートナー選びは慎重に行う必要があるでしょう。
私たち二見達彦税理士事務所は、税理士としての専門知識と豊富な融資支援実績があります。また事業計画の精度向上から面談対策まで、金融機関の視点を踏まえた最適なサポートを行います。融資に関するお悩みはもちろんのこと、「まずは話を聞いてみたい」という方も大歓迎です。どうぞお気軽にご相談ください。
