会社設立で使える補助金・助成金は?申請方法から注意点まで詳しく解説

「会社を設立したいけれど、資金面が心配だ」「ビジネスを始めるとき、できるだけ費用を抑えたい」と考える人も多いのではないでしょうか。このような悩みをサポートするために、国や自治体では、会社設立や新規事業のスタートを支援する補助金や助成金を用意しています。制度を適切に活用すれば、事業成功に向けて一歩を踏み出しやすくなるでしょう。

本記事では、会社設立時に知っておきたい補助金や助成金の種類をはじめ、申請ポイントや注意点まで解説します。

目次

補助金と助成金の違いとは?

「補助金」と「助成金」を混同する人は、多く見受けられます。しかし両者には、目的・管轄する組織・受給の難易度などにおいて違いがあります。ここでは、補助金と助成金の違いについて見ていきましょう。

補助金:事業の成長・革新を支援

補助金は、主に経済産業省が管轄しています。また補助金を支給する目的は、国の政策目標を実現することです。そのため、内容も「企業の成長」や「技術革新」など、国の方針に合った取り組みを後押しする内容が多いでしょう。

【補助金の具体例】

  • 新商品の開発費用
  • 生産性向上に向けた機械設備の導入費用
  • 販路開拓のための広告宣伝費

ただし、補助金には予算や採択件数に上限があるため、要件を満たしていても申請が必ず通るわけではありません。

助成金:雇用の安定・促進を支援

対する助成金は、主に厚生労働省が管轄しています。厚生労働省が働き方や福祉に関わる分野を担当する省庁であることから、助成金も「雇用の安定」や「労働環境の改善」を目的とした制度となっています。

【助成金の具体例】

  • 従業員のキャリアアップ支援
  • 特定求職者の雇用促進
  • 職場環境の改善や働き方改革の推進

また補助金とは異なり、要件を満たせば原則として受給できることから、非競争的な資金だといえるでしょう。

会社設立時に必ずチェックしたい主要な補助金7選

ここでは、起業家を支えてくれる主要な補助金について、7つご紹介します。事業の目的や取り組み内容に合わせて、適切な補助金を選ぶことが大切です。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模な事業者が「販路の開拓」や「生産性の向上」に取り組む際に、その費用を支援する制度です。たとえば、ウェブサイトの制作費・広告宣伝費・店舗の改装費用などが対象となります。小規模事業者を対象としているため、創業したばかりの事業者でも申請要件を満たしやすいことが特徴です。

また、「販路の開拓」や「生産性の向上」という身近な課題に活用できることから、多くの事業者が利用しています。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、通称「ものづくり補助金」と呼ばれています。革新的な製品やサービスの開発、生産性向上に向けた設備投資などを支援する制度です。補助額の上限は1,000万円を超えるケースも多く、比較的高額な支援を受けられる傾向にあります。

しかし、競争率が高いことから、通過するには綿密な準備が欠かせません。

IT導入補助金

IT導入補助金は、会計ソフト・受発注システム・勤怠管理システムなどのITツールを導入する際に、業務の効率化やDX推進に向けて費用を支援する制度です。アナログな業務プロセスを見直し「生産性を高めたい企業」はもとより、会社を設立して間もない段階で、業務効率化の基盤を整えたい企業にも役立ちます。

創業時からITツールを活用することで、コスト削減・業務の標準化・顧客対応力の強化など、事業運営をスムーズに進めるための土台を用意できるでしょう。

事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金は、会社を受け継いで新たにスタートする人や、M&Aにより事業を譲り受けて経営にチャレンジする人のための補助金です。経営を引き継いで会社を設立するタイミングで、「新しい事業への挑戦」や「経営の革新」を行うとき、その費用をサポートしてくれます。

たとえば、新商品の開発・販路の開拓・設備投資・M&Aに伴う専門家費用などが対象となり得ます。

中小企業新事業進出補助金

中小企業新事業進出補助金は、2025年から始まった新しい制度で、既存の中小企業が「新たな市場」や「新しいビジネスモデル」にチャレンジする際の設備投資や事業転換などをサポートする補助金です。この補助金は、「会社設立から1年以上経過し、従業員が1名以上いる」ことが要件となっているため、これから会社を設立する人は対象外です。
ただし、「このような制度がある」と知っておくことで、今後の事業計画や補助金の活用に役立つでしょう。

業務改善助成金

業務改善助成金は、「最低賃金の引き上げ」と「生産性向上につながる設備投資」を同時に行う企業に対して、費用の一部を助成する制度です。

ただし、「従業員を一定期間就労している」という条件があるため、会社設立の直後に活用することは難しいでしょう。会社を設立して従業員を雇用し、業務が軌道に乗り始めたタイミングで、「従業員の給与を上げたい」「業務の効率化を進めたい」と考えた際に、ぜひ検討したい制度の1つです。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、「社会の変化に合わせて新分野に挑戦する」「ビジネスモデルを大きく見直す」といった企業をサポートする制度です。以前、コロナ禍で主力事業が打撃を受け、新たな収益源を生み出す必要があった企業にも活用されました。近年では、「飲食業がテイクアウト専用の店舗を立ち上げる」「製造業がサステナブルな商品への切り替えを進める」など、さまざまなケースで活用されています。

【雇用関連】人材採用・育成で活用できる主要な助成金4選

会社を設立し、事業を軌道に乗せるには、優秀な人材の確保と育成が欠かせません。助成金を活用することで、雇用の創出や労働者の能力向上に役立てられるでしょう。ここでは、人材採用や育成に活用できる主要な助成金を4つご紹介します。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、パートタイマーなどの「非正規雇用の従業員」を「正社員」や「無期契約社員」に転換するなど、社内でのキャリアアップ推進を支援する制度です。正社員への転換だけでなく、賃金規定の見直しや健康診断制度の導入など、さまざまなコースが用意されていることも特徴です。

従業員のやる気を高めることに役立ち、会社への定着率アップも期待できるでしょう。

トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金は、職業経験が少ないなどの理由で就職が難しい人を、3か月間「お試しで雇用する場合」に利用できる制度です。3か月のトライアル期間が終了した後、企業が継続雇用を希望する場合は、通常雇用へ切り替えられます。継続雇用を希望しない場合には、トライアル雇用は終了となります。

雇用を継続しない場合でも、助成金は原則として支給されるものの、期間中に離職した場合には、減額あるいは不支給のケースもあるため注意が必要です。

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金は、高齢者や障害者・母子家庭の母親・父子家庭の父親など、就職が特に難しいとされる方を新たに雇用する場合に利用できる助成金です。このような求職者を積極的に採用することで、「多様な人材の確保」と「社会貢献」を同時に実現できるでしょう。

人手不足が深刻化する中で、これまで採用が難しかった層に目を向けることで、新たな労働力の確保につながり、企業の持続的な成長を後押しします。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、従業員に対して「仕事に必要な専門知識や技能を身につける訓練」を行った場合に、その費用や訓練にかかった賃金の一部を国が支援する制度です。従業員のスキルアップを後押しでき、結果として企業の生産性や競争力の向上につながります。

また、eラーニングや通信教育など、さまざまな訓練方法が対象となっているため、企業ごとのニーズに合わせた人材育成にも寄与するでしょう。

補助金の活用で失敗しないための5つの注意点

補助金・助成金は、魅力的な資金源だといえます。しかし適切に活用するには、いくつかの注意点を理解しておく必要があります。5つの注意点を踏まえることで、失敗のリスクを減らし、補助金・助成金を有効に活用できるでしょう。

公募期間は短い!常に最新情報をチェック

補助金や助成金には、応募期間が定められています。多くの場合、募集期間が1か月~3か月程度と短いことが特徴です。そのため、気になる制度がある場合には、日頃から経済産業省・厚生労働省・各制度の公式サイトなどで、情報をこまめにチェックすることが大切です。

公募期間を逃してしまうと、次の募集が始まるまで待つ必要があります。制度によっては、募集期間中でも「予算に達した」などの理由から、応募が締め切られることもあるでしょう。

要件確認と膨大な書類準備に時間がかかる

補助金や助成金を申請したい場合には、まずは公募要領を読み、応募条件を確認することが大切です。また要件確認のステップでは、実績・従業員数・取り組み内容といった複数項目をチェックしなければならないため、意外と時間がかかることも事実です。

そのうえで、事業計画書・決算書・見積書など、さまざまな書類を用意する必要があります。また書類をそろえる際にも、多くの時間と労力がかかる傾向にあります。

申請すれば必ず採択されるわけではない

特に補助金は、予算や採択件数に上限があることから、要件を満たしていても必ず採択されるわけではありません。応募者が多い場合、他の申請者との比較によって不採択となることもあるでしょう。

予算や採択件数に上限がない助成金も、要件を満たしていなければ、当然ながら不支給となります。そのため、補助金や助成金の受給を前提に資金計画を立てるのは、リスクが高いといえます。採択されなくても事業を続けられるよう、自己資金や他の資金調達方法も検討しておくことが大切です。

入金は事業実施後。資金繰りに注意

補助金や助成金は、基本的に経費を支払った後に受け取れる「後払い」がほとんどです。たとえば設備投資や広告費も、まず自社で支払いを行い、その後に申請・審査を経て補助金が振り込まれます。そのため、申請中や審査結果を待つ間も含めて、事業資金は一時的に自社で用意しなければなりません。十分な資金が確保できていない場合、必要な支払いができず、事業計画を実行できなくなる可能性があるでしょう。

専門家(税理士、社労士、中小企業診断士)への相談も有効

補助金や助成金の制度は、内容が複雑かつ種類も多いため、「自社に合った制度選び」や「申請書類の作成」で迷うこともあるかもしれません。そのようなときは、税理士・社会保険労務士・中小企業診断士といった専門家に相談するのもおすすめです。専門家は補助金や助成金の制度に詳しく、申請経験も豊富です。知識や経験のある専門家から、適切なアドバイスやサポートを受けることで、補助金・助成金が採択される可能性も高められるでしょう。

補助金・助成金活用を検討中の方は二見達彦にご相談ください

会社設立や事業の成長を考えるうえで、補助金や助成金が支給されると心強いでしょう。しかし、制度を適切に活用するには、専門的な知識や経験が欠かせません。また、制度の要件や必要書類の準備など、初めての方にはわかりにくい部分が多いことも事実です。実際に、手続きや準備に、多くの時間がかかるケースも珍しくありません。

補助金や助成金の活用をお考えの場合には、二見達彦税理士事務所までご相談ください。お客様の事業内容や目標をお伺いしたうえで、最適な補助金・助成金をご提案いたします。また、申請書類の作成や採択後の手続きまで、一貫したサポートも可能です。まずは無料相談から、お気軽にお問い合わせください。

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