【2026年確定申告】申告期限や令和7年度税制改正・インボイス制度による変更点や注意点を解説

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令和7年の税制改正により、2026年の確定申告は昨年とは大きく変わります。基礎控除額の引き上げや扶養控除の新設など、多くの納税者にとってメリットとなる改正となりました。この記事では、確定申告の基礎知識や具体的な変更点などを紹介します。

目次

2026年(令和8年)3月の確定申告期限は?

2025年度分(R7年度分)の確定申告のスケジュールは、以下のとおりです。

2025(R7)度分申告期間納付期限
所得税2026年2月16日(月)~3月16日(月)2026年3月16日(月)
消費税2026年3月31日(火)まで2026年3月31日(火)
還付申告2026年1月1日~2030年12月31日(5年前まで遡及できる)

所得税の申告期限「3月16日」が15日でない理由

確定申告の所得税申告期限は、本来は3月15日です。しかし、2025年度分(R7年度分)の確定申告の期限は、3月16日(月)になります。これは、日本の税法で、土日祝が申告期限になる場合は「翌日以降の平日が期限」と定められているためです。

また、一日猶予ができたとはいえ、窓口やサポートの混雑回避、不測の事態などに備え、早期に申告手続きを済ませるのが望ましいでしょう。

消費税の申告・納付期限が「3月31日」である理由

消費税の申告期限が3月31日であるのは、消費税額の算出に所得税の計算が大きく関係しているからです。消費税の金額を確定させるには、所得税の計算を完了させる必要があるため、納付期日が所得税と異なります。

しかし、個人事業主は、所得税と消費税をセットで申告するのがおすすめです。これらのデータを同じタイミングで作業することで、両申告書の整合性が高まります。また、会計ソフトのデータ連動を活用すると、さらに効率的になるでしょう。

期限に遅れるとどうなる?無申告加算税と青色取消のリスク

法人の申告同様、個人事業主の確定申告も、期限後申告にはペナルティが発生します。本来納めるべき税額の15~20%の無申告加算税や、重加算税、延滞税などが発生します。

また、最大のデメリットは、青色申告の利点である65万円の特別控除が適用できず、10万円の控除になることです。さらに、期限後申告が2期続くと、2期目から青色申告承認自体が取り消されます。欠損金の繰越や少額減価償却資産の特例など、青色のメリットが享受できなくなるでしょう。

【令和7年度税制改正】最大「95万円」の基礎控除や扶養控除変更で手取りはどうなる?

基礎控除や扶養控除について、大きな変更があった今回の税制改正。中でも大幅な基礎控除の引き上げは複雑で、混乱している方も多いでしょう。ここでは、基礎控除や扶養控除の具体的な変更について説明します。

「103万円の壁」は解消?

令和7年度の税制改正(2025年)により、103万円の壁は「160万円の壁」になりました。詳細は次のとおりです。

基礎控除額95万円(最大)+給与所得控除65万円=160万円 ※1

※1 税制と社会保険の定義は別です

社会保険の130万円の壁は変更されないので注意しましょう

参考:国税庁|基礎控除

【年収別】納税額シミュレーション

ここでは、いくつかの年収別に基礎控除額、所得税額を比較します。

年収160万円以下

「基礎控除額95万円+給与所得控除65万円=160万円」の最大の控除を受け、所得税額がゼロになります。手取りが明確に増え、改正の恩恵が最も大きい層といえるでしょう。

年収300万円〜800万円(中間所得層)

調整(逓減)措置により基礎控除の額は増えるものの、税負担の減少幅は下記のように限定的となります。

年収2025(R7)基礎控除額2025(R7)所得税額2023(R5)所得税額
300万円88万円約3.5万円約5.5万円
500万円68万円約12.8万円約14.1万円
800万円63万円約44.3万円約47.4万円

社会保険料も加味して算出:東京都・40歳未満と仮定

年収850万円以上(高所得層)

基礎控除額は58万円で、過年度からプラス10万円とほとんど変わりないため、今回の改正による恩恵はほぼないといえるでしょう。

「特定扶養親族」大学生世代の親が注意すべき控除のルール変更

令和7年度の税制改正(2025年)では、「特定扶養親族」、いわゆる大学生世代の控除に大きな変更があります。19歳から23歳未満の子の所得要件に、給与収入123万円から188万円まで(合計所得58万円から123万円以下)、段階的に控除額を設定したスロープ状の制度が導入されました。

参考:国税庁|令和7年度税制改正による 所得税の基礎控除の見直し等について

【インボイス制度2年目】「2割特例」の落とし穴

ここでは、インボイス制度2割特例の注意点について解説します。インボイス制度をきっかけに消費税課税事業者になった方は、特に深く理解するようにしましょう。

まだ使える?「2割特例」の適用期限と除外条件とは

2023年(R5年)10月から始まったインボイス制度の2割特例は、2025年度(R7年)も適用可能です。

2割特例とは、インボイス制度を機に消費税課税事業者になった人のための制度です。売上にかかる消費税の2割が消費税納税額となるので、大幅な税負担の軽減が見込めます。しかし、この制度は、基準期間の課税売上高が1,000万円を超えると適用対象外となるため、注意が必要です。

また、この特例の適用は、「2026年(R8)年9月30日までの日の属する課税期間」=「2026年度(R8年度)の確定申告(申告期限R9年3月)」まで有効で、それ以後は簡易課税、本則課税へ移行します。

参考:国税庁|2割特例用 消費税及び地方消費税の確定申告の手引き

今やるべき!「簡易課税」の切り替え検討

2割特例終了後に簡易課税制度の採用を考えている場合は、今から検討する必要があります。簡易課税の届出(消費税簡易課税制度選択届出書)は、適用を受けたい課税期間の開始日の前日が提出期限となるためです。(2027年度分(R9年度分)に適用したい場合は2026年(R8年)12月31日が期限)

また、2割特例の利用者には、届出提出の特例があります。「適用を受けたい課税期間の末日」までに届出を提出すると簡易課税制度の適用が可能なため、最短で2026年度分(R8年度分 ※2)から簡易課税制度の恩恵を受けられます。

※2 届出を2026年(R8年)12月31日までに提出すると、2027年(R9年)3月が申告期限の、2026年度分(R8年度)の確定申告から適用が可能

定額減税や給付金はどうなる?2025年分確定申告での注意点

2025年度分(R7年度分)の確定申告において、昨年の定額減税や調整給付金はどのような影響があるのかを解説します。

2024年定額減税の影響|その後に生まれた子どもがいる場合

2024年(R6年)の定額減税の影響は、ほとんどないといっていいでしょう。たとえば、2025年(R7年)に子が生まれても、残念ながら過去の定額減税の遡及適用はできません。

また、原則として16歳未満の扶養親族は、所得税では扶養控除対象外になりますが(※3)、住民税の計算で扶養親族としてカウントされるため、かならず申告するようにしましょう。

※3 障害者は障害者控除があります

定額減税の「調整給付金」は所得になるのか

定額減税で全額減税できなかったケースで、2025年(R7年)に調整給付金を受け取った方は多いでしょう。この給付金は、所得税、住民税ともに非課税で、所得にはならず確定申告では申告不要です。

「65万円控除」に欠かせない「電子帳簿保存法」とDX推進

確定申告で、青色申告者が65万円の最大の控除を受けるには、複式簿記であること以外に次の条件のどちらかを満たす必要があります。

  • 帳簿類を電子帳簿保存していること
  • e-Tax(国税電子申告・納税システム)で申告すること

上記は、国が推進しているDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環です。「正確な記帳・電子申告・電子保存」を推進しており、「より効率的」で「より正確である」ことを目指した取り組みとなっています。

また、優良な電子帳簿保存を採用すると、過少申告加算税を課された場合、原則10%から5%に軽減されるというメリットがあります。

参考:国税庁|優良な電子帳簿のススメ!

スマホ・クレカ明細などに必要な「電子データ保存」とは

Amazonや楽天など、いわゆる電子取引の領収書の紙保存はNGです。(2024年1月から)必ず「検索できる状態」でデータ保存するようにしましょう。

クラウドソフトの利用や、自身で管理する場合はファイル名を「取引年月日・取引金額・取引先名」のように、規則性をもたせて保存するのがポイントです。

参考:国税庁|電子取引データを適切に保存できていますか?

確定申告ソフトの「優良電子帳簿」設定を確認しよう

控除要件として電子帳簿保存を採用したい場合、会計ソフトの「優良電子帳簿モード」をONにするようにしましょう。

優良電子帳簿モードには、次のような機能があります。

  • 訂正・削除の記録が残る
  • 入力期限の制限や遅延の記録が残る
  • 複雑な検索機能が可能になる

確定申告に不安のある方は税理士にご相談を

税制改正は、経済や社会情勢の流れに沿って定期的に行われます。都度、内容を理解して、自身にとって最善の申告を検討することは、やや煩雑でしょう。また、本格的に申告の対策をしたい場合は、一年を通して考える必要があるので、専門家のサポートを受けるのがおすすめです。

税理士への依頼については、「確定申告は税理士に依頼すべき?費用相場や選び方を解説」の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

二見達彦税理士事務所は、確定申告はもちろんのこと、日々の経理処理や税制改正を踏まえたアドバイスやサービスの提供が可能です。確定申告や税制改正について、不安や疑問のある方は、お気軽に弊所の無料相談をご利用ください。今期はもちろん、来期へ向けてのより良い一歩を踏み出すお手伝いをいたします。

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