法人が支払う税金の種類は?納税時期をわかりやすく解説

サムネイル

これから事業をスタートする人や、事業を始めた人は、法人が支払う税金についてわからない部分も多いでしょう。法人活動を行う際に、税金の知識は避けて通れません。また法人には、多くの税金が課せられています。さらに各税金は、支払い時期や会計処理の方法も異なります。そのため、法人の経営者や経理担当者は、「税金の種類」や「納税時期」を正確に把握することが大切です。

そこで本記事では、法人が支払う主要な税金について、種類と納税時期をわかりやすく解説します。

目次

法人が支払う主要な税金は「法人税等」と「消費税」

法人が納める税金の種類は、多岐にわたります。なかでも重要なのが、「法人税等」と「消費税」です。法人税等は、法人の所得に対する税金の総称であり、具体的には以下を含みます。

  • 法人税
  • 法人住民税
  • 法人事業税

一方の消費税は、商品やサービスに課される税金のことです。消費税は、最終的には消費者が負担する「間接税」です。しかし事業者には、消費者が負担する消費税を預かり、国に納める義務があります。

また消費税を納める際には、仕入れなどで支払った消費税を差し引くことが可能です。

【所得にかかる税金】法人税・住民税・事業税(法人税等)を解説

法人が事業活動を行い利益が出た場合、そこから計算した所得金額に応じて、国や地方自治体に対して税金を納めなければなりません。

法人の所得に対する税金は、「法人税等」と呼ばれ、法人税・法人住民税・法人事業税に分類できます。それぞれ目的や計算方法が異なるため、全容を理解することが大切です。

① 法人税:会社の利益(所得)にかかる国の税金

法人税は、利益をベースに算出した「所得」に応じて、国に支払う税金(国税)のことです。法人が支払う税金のなかで、最もオーソドックスな税金だといえるでしょう。法人税の税率は、会社の規模や所得金額によって変動します。中小企業など、特定の法人には軽減税率が適用される場合もあり、公平な税負担を目指して設計されています。

また所得が赤字であれば、原則として法人税は発生しません。また10年以内に黒字になることがあれば、過去の赤字(繰越欠損金)を利用して、黒字年度の所得と相殺できます。

② 法人住民税:会社がある自治体に納める地方税

法人住民税は、法人の事業所が在籍する自治体に納める地方税のことです。法人住民税は、自治体の提供する行政サービスを享受することに対し、負担する税金と考えるとよいでしょう。また法人住民税は、以下の2要素で構成されています。

  • 法人税割:法人税額と連動しており、会社の利益が大きいほど税額も増える
  • 均等割:資本金の額や、従業員の数に応じて課される

均等割は、会社が赤字で利益が出ていなくても、その地域に事業所がある限り発生します。そのため、資金繰りを考えるうえで、注意が必要な項目の1つです。

③ 法人事業税:公共サービス利用の対価として納める地方税

法人事業税は、法人が利用する公共サービス(例:道路・消防)に対して支払う税金です。納付先は、法人が在籍する都道府県になります。法人事業税の税率は、都道府県によって異なります。

また、資本金が1億円を超える大規模な法人には、法人事業税に対して「外形標準課税」という制度が適用されます。外形標準課税とは、企業の利益・事業規模・活動量などに応じて税金を決める制度です。

従来は、企業記簿に関係なく、赤字の場合は法人事業税の支払いが不要でした。しかし、外形標準課税が導入されたことで、資本金1億円を超える大企業には、法人事業税が課されています。

④ 地方法人税・特別法人事業税:地方のために国が徴収する税金

地方法人税と特別法人事業税は、地方同士の格差を埋めることを目的とし、国が集める税金です。集めた後に、地方自治体に配分されます。税金の種別としては、国税に分類されます。

「地方法人税」の金額は、法人税に応じて計算され、法人税と一緒に納める流れです。「特別法人事業税」は、法人事業税をベースに決められ、法人事業税と一緒に支払われます。ただし、今期が赤字だったなどの理由で「法人事業税の支払いがない法人」は、納付の対象外です。

【取引にかかる税金】消費税及び地方消費税の基本

消費税と地方消費税は、商品やサービスの取引で発生する税金です。しかし、すべての法人が一律に消費税を納税するわけではありません。「納付が必要な法人」「納付が不要な法人」が存在し、納付する場合にも金額は異なります。ここでは、消費税及び地方消費税の基本について見ていきましょう。

納税義務者と免税事業者の違いとは?

資本金や売上高などの基準を満たした法人は、消費税を納める必要があります。条件に該当しない場合には、「免税事業者」として、消費税の納付が免除されます。また免税事業者の条件は、以下の通りです。

  • 基準期間(原則として2年前の事業年度)の課税売上高が1,000万円以下である
  • 新規設立法人の、設立初年度とその翌事業年度
    (※ただし、資本金が1,000万円以上の場合は対象外となり、初年度から課税事業者として扱われる)

一方の免税事業者は、消費税の申告・納付義務がないため、経理の負担が軽減されます。しかし、仕入れにかかる消費税の控除を受けられない点には注意が必要です。

2023年10月開始のインボイス制度による影響

これまで免税事業者は、消費税を支払う必要がありませんでした。しかし、2023年10月から始まったインボイス制度により、消費税を取りまく環境に変化が生じています。

とはいえ、インボイス制度の導入後も、免税事業者の条件に該当する法人は「免税事業者」としての活動を継続できます。ただし、納税義務のある企業が免税事業者と取引する場合、仕入税額控除ができなくなりました。そのため、免税事業者が免税事業者としての活動を続けると、一定規模の法人との取引に対して、「取引停止」や「取引条件を厳しくされる」といったリスクが高まっています。

結果として、売上が低い企業も、適格請求書発行事業者になり「課税事業者」の道を選ぶケースが増えていることも事実です。課税事業者になると、売上金額に関わらず、毎年消費税を納付する必要があります。

その他に法人が関わる可能性がある税金一覧

法人経営を行うと、法人税等や消費税以外にも、さまざまな税金に関わる可能性があります。経理担当者だけでなく、経営者自身も税金の全体像を理解することで、効果的な経営戦略を立てられるでしょう。法人が関わる可能性がある税金について、主な内容は以下の通りです。

土地や建物、設備にかかる「固定資産税・償却資産税」

法人が土地や建物を所有するケースや、事業用の機械や備品を購入・使用している場合、毎年「固定資産税の課税対象」になります。支払う税金の額は、資産の価値に応じて、地方自治体により決定されます。

なお、事業用の機械や備品にかかる償却資産税は、固定資産税の一種です。例として、「パソコン」「飲食業で使用する冷蔵庫」「印刷業者が使用するシュレッダー」などが挙げられます。

契約書や領収書に必要な「印紙税」

不動産売買契約や請負契約など、特定の契約書や高額な領収書を作成すると、契約内容や金額に応じて印紙税が課せられます。印紙税を納付せずに文書を作成すると、あとから「過怠税」などのペナルティが発生する恐れもあるでしょう。そのため、契約書によって印紙税の金額が異なることを理解し、適切に対応する必要があります。なお印紙税は、国税に分類されます。

会社設立や不動産取得時の「登録免許税」

登録免許税とは、法人を設立した際の登記や、不動産の所有権移転登記などの法的手続きで発生する国税です。以下の要素によって、納付する登録免許税の金額は変動します。

  • 法人を設立した際の資本金の額
  • 不動産の種類(土地、建物など)
  • 不動産の取得価格
  • 登記の内容(新規登記、変更登記など)

一律の金額ではないため、事前に税額を把握し、財務計画に織り込むことが大切です。

従業員に代わって納める「源泉所得税・住民税特別徴収」

法人は従業員の給与から、従業員の所得税や住民税を天引きし、本人の代わりに国や自治体に納付する義務があります。従業員の所得税や住民税は、法人が直接負担する税金ではありません。しかし法人は、決められた期限までに、本人に代わって納付する必要があります。誤った計算や遅延は、企業に追加負担やペナルティをもたらす可能性があるため、細心の注意が必要です。

法人税はいつまでに、どうやって納める?申告と納付の基本

法人税の申告や納付には、期限が定められています。遅れるとペナルティが発生する可能性もあるため、期限や手続きのポイントを理解することが大切です。ここでは、法人税の納付期限や手続きの基本について解説します。

申告・納付の期限:「事業年度終了の日の翌日から2カ月以内」が原則

法人税の申告・納付は、原則として、事業年度が終了した翌日から2カ月以内に行います。(※法人税・法人事業税・法人住民税ともに同様)また、申告と納付を同時に済ませる必要があり、スケジュール管理は必須です。

とはいえ、「通常時期に株主総会を開催できない」「会計監査の時期が遅れる」などの理由で、期限までに正確な額を申告できないこともあるでしょう。その場合、事前申請をして認められれば、申告時期を延長できます。しかし、納付期限は原則として延長されません。そのため、申告の延長が認められたとしても、事前に見込納付で概算額を納める必要があります。その後、正確な金額を申告した際に、差額調整する流れです。大災害などの背景がある場合には、納付期限も延長できる場合があります。

中間申告(予定納税)とは?

中間申告とは、前年度の法人税額が20万円を超える場合、事業年度の途中で「法人税の一部」を納める仕組みです。納付期限は、事業年度開始から6カ月経過した日より2カ月以内です。法人税は金額が大きいため、分散して支払うことで、負担を軽減できるといった背景があります。また、大きな金額を中間で前払いすることで、資金の急激な流出を防ぎ、計画的な資金繰りを行いやすくなります。その反面、中間申告・納付の手間が増える点には注意が必要です。

税に関するご相談は二見達彦税理士事務所にお任せください

法人が支払う税金は多岐にわたり、納税時期も異なります。また法人の税務では、複雑で専門的な知識も不可欠です。正しく税務処理ができない場合には、予期せぬ財務リスクをもたらす可能性があるでしょう。

二見税理士事務所では、法人の税務に関する悩みや課題に対して、豊富な経験と専門知識に基づいたきめ細かなサポートを提供しています。

複雑な税務処理に関して、お悩みやご質問がございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。企業の状況に応じた最適な税務戦略から、正確な申告まで、専門家の視点から総合的にサポートいたします。税務処理を正しく行い、安定的な経営を実現したい場合には、私たちにお任せください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次