税務調査は税理士に任せるべき?立ち会いを依頼するメリットや税理士の選び方を解説

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税務調査は、法人や個人事業者、確定申告の経験がある方であれば、誰もが対象になり得る調査です。あくまでも「調査」なので、後ろめたいことがなければ怖がる必要はありません。しかし、自身が対象になった場合は、不安を覚える方がほとんどではないでしょうか。

税理士は、そのような不安を解消するサポートが可能です。この記事では、税務調査の基礎知識や、税理士が税務調査に立ち会うメリットなどについて解説しています。

目次

税務調査とは?

税務調査とは、納税者の申告内容が正確かどうかを確認するための、税務署や国税局が実施する調査のことです。

現在の日本では、所得税や法人税、相続税など、多数の税目が申告納税制度(※1)を採用しています。そのため、なかにはミスをしたり、故意に納税を免れようとしたりする方がいるため行われている調査です。

事業を行っている法人や個人事業主に加え、確定申告が必要な一般の人も対象となっているのが特徴です。

(※1)申告納税制度: 納税者が自ら税額を計算し、申告・納税する制度

税務調査の種類

税務調査には、「任意調査」と「強制調査」があります。ここでは、それぞれの違いについて説明します。

任意調査

税務調査で、最も一般的なのは任意調査です。

事前に電話連絡(事前通知)があり、納税者の同意を得て行われる調査ですが、実質的には拒否権はありません。納税者には受忍義務(じゅにんぎむ)があるため、強制に近いと考えてよいでしょう。

強制調査

強制調査とは、いわゆる「マルサ」として知られる国税局が、悪質な脱税の疑いがある納税者に対し、裁判所の令状をもって強制的に行う調査です。事前の通知はなく、ある日突然、調査官が訪問して調査を行います。事業所のほか、取引先や経営者の自宅までも調査対象になるケースもあり、納税者に事前準備の猶予を与えないのが特徴です。

しかし、強制調査は、大口で刑事事件にもなり得る悪質な事案が対象となるので、一般的な中小企業や個人事業主が強制調査の対象となるのは稀であるといえるでしょう。

税務調査が行われる確率と時期

税務調査が行われる確率に明確な規則はありませんが、確定申告が落ち着いたあとの8~11月頃に増える傾向があります。また、業種や売上規模にもよりますが、頻度は一般的に3~10年が目安と考えられています。(※2)

「3年」というのは、通常の税務調査では過去3年分の資料を確認されることが多いためです。ただし、不正の可能性が高い場合などは、5~7年前まで遡って調査されるケースもあります。

(※2) 相続税の場合は申告から1年目、または2年目の8月~11月が多いとされています。

税務調査における税理士の役割

税務調査での税理士の役割は、納税者の権利を守ることと、調査官への対応代行と調整です。専門知識をもつ税理士には、納税者の代わりに主張や陳述ができる法的な「税務代理権」があります。いわば「法的パートナー」という立場で、物理的にも心理的にもあなたをサポートしてくれるでしょう。

税務調査の立ち会いを税理士に依頼するメリット

調査を税理士に依頼すると、多くのメリットがあります。ここでは、主な5つのメリットを紹介します。

調査官との交渉・折衝を任せられる

税理士が税務調査に立ち会う最大のメリットは、法的知識を用いて調査官との交渉を任せられることです。

たとえば、問われやすい例として、修繕費や交際費など、見解が分かれるグレーゾーンの妥当性が挙げられます。そこで、税理士が事実認定と法解釈を切り分け論理的に交渉することで、納税者にとって不利な指摘を回避できる可能性が高まるでしょう。

精神的な負担が大幅に軽減される

納税者の心理的負担の軽減につながることも、税理士に税務調査に立ち会ってもらう大きなメリットの一つです。調査官と直接対峙することなく、税理士が防波堤となることで、納税者のプレッシャーの大幅な緩和につながります。

「困ったら税理士に頼れる」という安心感が、納税者に税務調査での冷静さを生み出してくれるはずです。

事前に指摘されやすいポイントを把握できる

税理士への依頼は、事前準備に関してもメリットがあります。調査前に、帳簿や証憑書類の整理や不備の確認をしてもらうことができるだけでなく、模擬調査を行い、想定される質問への回答を準備することも可能です。

事前に調査当日の流れや、指摘されやすいリスクを把握することで、不安が軽減するのも利点となります。

不当な調査や誘導尋問を回避できる

税務調査に税理士が立ち会うと、調査官の強引な調査や権限外の質問など、納税者に不利な場面を即座に制止してくれるでしょう。

誘導尋問で納税者が不用意な発言をして、不利な発言をしてしまうリスクを防ぐことができるので、納得のいく結果につながる可能性が高まります。

調査後の対応も任せられる

調査後の対応も、税理士に一任できます。調査結果の連絡やクロージング交渉(※3)、煩雑な修正申告書の作成、申告まで任せることができるので、納税者は速やかに本業へ戻ることができるでしょう。

(※3)クロージング交渉: 調査の最終段階で税務署からの指摘事項に対して交渉を行い、修正申告についての合意を図る過程のこと。

税務調査の立ち会いを税理士に依頼しないリスク

専門知識を持つ税理士に、調査の立ち会いを依頼しない場合は、いくつかのリスクが発生します。自身を守るためには、依頼するメリットだけではなく、依頼しないデメリットもきちんと理解しておくのが大切です。

税務知識の不足から不利な立場になりやすい

税務調査で税理士が立ち会わないと、追加の納税(追徴課税)が生じるリスクが増えます。調査官からの質問や指摘に、根拠を明らかにして論理的な回答ができないことで、本来は経費として認められるはずのものまで、否認されやすくなるでしょう。

税務調査のペナルティについては、「相続税の税務調査はいつ、誰に来る?対象になりやすいケースや調査内容を解説」の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

調査が長引くことによる業務への支障

税理士が調査に立ち会わないことで、的確な回答や資料提示ができずに、調査日数が延びる場合があります。また、事前準備を自身ですべて行うのも、膨大な労力と時間を要するので、代表や担当者の時間が奪われ、本業に支障をきたす可能性が高まるでしょう。

税務調査の流れと税理士がサポートできるタイミング

ここでは、税務調査を税理士に依頼した際に、どのような状況、どのタイミングでサポートしてもらえるかを、ステップごとに解説します。

STEP1:税務署からの事前通知・日程調整

一般的な税務調査(任意調査)は、事前に電話で連絡が入ります。(※4)その際は、「顧問税理士と相談する」旨を伝え、日程調整を税理士に任せるのが鉄則です。

なお、決算申告書に税務代理権限証書を添付して申告していた場合は、税理士に直接連絡が入ることになります。

※4 電話連絡が難しいと判断されたときは書面の場合もある

STEP2:必要書類の準備・事前打ち合わせ

日程が決定したら、必要な書類を準備します。書類は、調査対象期間をきちんと税理士に確認したうえで、準備するようにしましょう。

通常、過去3年分が必要になりますが、場合によっては5~7年分の準備が必要な場合もあります。主な書類は、次のとおりです。

・総勘定元帳
・仕訳日記帳
・請求書、領収書
・取引に係る契約書
・預金通帳
・決算書、申告書

この時点で、税理士と具体的な打ち合わせをしておくのも重要です。この打ち合わせが、税務調査の結果を左右するともいえます。また、依頼者として疑問点や不安点などを明確にしておくことで、調査当日は冷静な対応ができるでしょう。

万が一、申告漏れや間違いに気づいた場合は、税理士に相談して速やかに修正申告や期限後申告として対応してもらう必要があります。税務調査前に対応することで、ペナルティの負担が軽減される可能性が高まるからです。

STEP3:実地調査

税理士に依頼している場合は、調査当日も立ち会い、調査官との専門的なやりとりをサポートしてもらえます。しかし、業務の取引状況や内容などの詳細に関しては、納税者本人が対応しなければならない場合があります。

質問には、正直かつ誠実に向き合いましょう。詳細が分からないときは、曖昧に答えたり、偽ったりしてはいけません。調査官に不信感を持たれると、調査が長引く可能性が高まるので、その場では確定せず「確認して後日正確にお答えします」と答えるのがよいでしょう。

STEP4:調査結果の連絡・交渉

調査後も、税理士は重要な役割を果たします。

調査の結果は、一般的には1ヶ月程度で通知されますが、指摘が妥当ではないと考えられる場合は、税理士が法定根拠に基づいて反論や交渉を行ってくれます。税理士の交渉で、不必要な修正が回避され、納税者の負担を軽減してくれるでしょう。

また、調査結果には次の3つのパターンがあります。
・申告是認:申告が正しかったものと認められるパターン
・修正申告:漏れや間違いなど税務署の指摘を認め、納税者が正しく申告し直すパターン
・更生:税務署からの指摘を納税者が認めないときに、税務署が強制的に決定するパターン(※5)

※5 納税者が更生処分に納得がいかない場合は、不服申し立てを行うことが可能

STEP5:修正申告・納税または是認

税務調査の結果、問題がみつからず修正すべき事項がない場合は、「是認」「申告是認」となります。適正な申告であったと認められ、特に対応すべき手続きはありません。

指摘を受けて納得する場合は、税務署の指摘どおりに修正申告を行います。申告済みの内容を修正するので、修正前と後の納付額の差額と、諸条件によって課されるペナルティ(追徴課税)を納税することになります。

煩雑になりがちな修正申告書の作成代行は、もちろん税理士が対応可能です。

税務調査に強い税理士の選び方・探し方

税務調査は、その分野に強い税理士を選ぶのが重要です。ここでは、どのようなポイントを重視して税理士を探せばいいのかを解説します。

税務調査の経験が豊富で幅広い実績があるか

「税務調査に強い=経験値の高さ」と考えてよいでしょう。税務調査では、現場での状況判断力が問われます。過去の対応件数や、経験した業種や規模、内容が多岐にわたっているかなどが重要な判断ポイントとなります。

経験豊富な税理士は、調査での状況を読み取り、納税者の強い味方となってくれるはずです。

「納税者の味方」として闘う姿勢と交渉力があるか

税務調査に選ぶべき税理士とは、納税者の権利を守るために、高い交渉力で正当な主張ができる税理士です。調査官の顔色をうかがう弱腰な税理士ではなく、納税者の立場や気持ちに寄り添って、理不尽な状況にもしっかり対応してくれる税理士を探すようにしましょう。

明確な料金体系であるか

税理士を探す際には、日当、事前準備費、成功報酬などの料金体系が明確であることも重要なポイントです。

税務調査を税理士に依頼する費用には、「相場」があります。地域差や諸条件により多少の違いはありますが、相場を基準に、事前に見積もりを提示してくれる事務所を選ぶのが重要です。

税務調査は専門家である税理士に相談してリスクを最小限に

税務調査を税理士に依頼するのは、最大限に自身を守ることにつながります。

調査官とのやりとりを専門知識を有する税理士が対応することで、調査がスムーズに行われ、不要な追徴課税を避けられる可能性が高まるからです。また、何よりも納税者の心理的負担が軽減されるのが、税理士に依頼する最も大きなメリットといえるでしょう。

二見達彦税理士事務所は、明確な料金体系で、専門知識を有するスタッフによる柔軟なサポートが可能です。税務調査の連絡を受けた方や、将来の調査を見据えてご質問やお悩みがある方は、ぜひ、弊所の無料相談をご活用ください。あなたの不安やお悩み、リスクを解消するために伴走いたします。

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