経理業務の効率化を成功させる手法とステップを解説

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毎月の締め作業に追われたり、会計ソフトの入力作業に時間を取られたりして、ほかの業務に集中したいと悩む経理担当者は少なくありません。実は、少しの工夫で、経理業務の効率化は可能です。

そこで本記事では、すぐに実践できる経理業務の効率化について、具体的な方法から段階的な導入の進め方まで解説します。経理業務を効率化させたい企業担当者様は、ぜひ本記事をお役立てください。

目次

経理業務を効率化することで得られるメリット

経理業務の効率化は、さまざまなメリットをもたらします。毎月の締め作業を楽にしたいという願いから始まった取り組みが、会社全体の競争力向上につながることも珍しくありません。具体的にどのようなメリットが得られるのか、詳しく見ていきましょう。

ヒューマンエラーの削減

経理業務の効率化により、人的ミスを大幅に減らすことができます。システム導入による自動化をはじめ、業務フローの見直しや書類フォーマットの統一、チェック体制の整備といった仕組み作りでもエラーは削減可能です。

従来の経理業務では、数値の入力違いや勘定科目の誤選択などが発生するたびに、修正作業に多大な時間を費やしていました。しかし、入力作業の自動化や、外部の専門家によるチェック体制などを構築することで、エラーが発生する機会そのものを減らせます。結果として、ダブルチェックにかかる時間と精神的ストレスの両方を軽減できるでしょう。

コア業務への集中

経理業務を効率化することで、浮いた時間をコア業務に割り当てられます。毎日の入力作業や書類整理に追われていた時間が短縮されれば、経営分析や資金繰り対策といった、会社の未来を左右する業務に集中できます。

たとえば、「先月の売上が落ちた理由は何か」「どの事業部門の収益性が高いのか」といった分析は、経理部門が力を発揮すべき領域です。これらの業務は、経営者の意思決定を支える重要な業務といえるでしょう。経理チームは数字をまとめる部署から、経営の根幹を支えるチームへと変化します。

経営スピードの向上とリアルタイムな数値把握

経理業務が効率化されると、月次決算が早く終わるケースも多々見受けられます。たとえば、翌月の15日頃に出来上がっていた試算表が、月末頃に完成することもあるでしょう。半月の短縮は、経営判断において差を生み出します。15日前の古い情報で判断するのと、ほぼリアルタイムの数字で判断するのとでは、意思決定の精度が変わるからです。

また、クラウド会計を使えば売上や経費の状況を日々確認でき、問題があればすぐに対策を打てます。たとえば、月の半ばで売上の伸び悩みに気づけば、残り半月で挽回策を講じることも可能です。スピード感は機会損失を防ぎ、新たなビジネスチャンスをつかむ力にもなるでしょう。

従業員満足度の向上と採用力の強化

経理業務が効率化されると、毎日の残業が減ったり、在宅勤務もしやすくなったりします。日々の残業時間が減り、在宅ワークも選択できるようになれば、従業員の満足度アップも期待できます。また、クラウド会計やペーパーレス化が進んだ職場は、IT に慣れ親しんだ若い世代にとっても働きやすい環境として映ります。新しい働き方ができる会社として認識されることで、優秀な人材の採用もしやすくなるでしょう。

経理業務を効率化する6つの方法

実際に経理業務を効率化するために、どのような方法を行えばよいのでしょうか?ここでは、経理業務を効率化するための6つの方法について解説します。これらの手法を組み合わせることで、経理業務の生産性を向上させられるでしょう。

業務の棚卸しと可視化

経理業務を効率化するためには、現状の仕事をすべて書き出してみることが大切です。すると、「なんとなく昔からやっている」「前任者がやっていたから」などの理由で続けている作業が見つかることがあります。慣習的に続けている業務のなかには、現在の法制度では不要になっているものや、他の作業と重複しているものも少なくありません。また、関係者への報告頻度が過度に多かったり、必要以上に詳細な資料を作成していたりするケースも見受けられます。
業務の棚卸しをする際には、業務改善に向けた、ECRSというフレームワークを使った整理をおすすめします。その際には、以下の視点で業務を見直します。

  • E(Eliminate)=排除できる
  • C(Combine)=似た作業など、統合できる
  • R(Rearrange)=効率的な順序にする
  • S(Simplify)=簡潔にできる

書類フォーマットの統一とルールの標準化

書類フォーマットが異なると、処理担当者は毎回異なる様式に対応する必要があるため、学習コストと処理時間の両方が増えてしまいます。一方でフォーマットを統一すれば、処理担当者は同じ形式に対応するため、作業効率の改善が期待できます。チェック作業も定型化でき、ミスの削減にもつながるでしょう。

また、書類フォーマットに記載するルールを決めると、不備による差し戻し業務も削減しやすくなります。標準化は導入する際の負荷は大きいものの、長期的な視点で見ると、メリットをもたらすことが多いでしょう。

ペーパーレス化・キャッシュレス化の徹底推進

環境保全への意識の高まりや、電子帳簿保存法への対応などをきっかけとし、ペーパーレス化やキャッシュレス化が進んでいます。また、コロナ禍でリモートワークが普及したことで、物理的な書類や現金を扱わない業務フローへの関心も高まっています。

紙の保存を廃止し、小口現金をなくして法人カードや立替精算に移行すれば、物理的な管理工数はゼロです。ペーパーレス化を試みれば、紙を保管するスペースの確保やファイリングなどの作業から解放されます。また電子化が進めば、 現金管理に伴う金庫の管理や現金出納帳の記帳、残高確認といった業務も少なくなります。

クラウド会計ソフト・経費精算システムの導入とAPI連携

従来の経理業務では、銀行通帳や領収書を見ながら、手入力する作業に多くの時間を費やしていました。クラウド会計ソフトを導入すれば、銀行口座やクレジットカードとAPI連携により、取引データが自動的に会計システムに取り込まれます。AIが過去の仕訳パターンを学習して適切な勘定科目を自動提案し、従業員の経費精算データも承認後に自動反映されるため、二重入力も不要です。従来は数時間かかっていた入力作業が数分で完了し、転記ミスも防げるようになるでしょう。

RPAによる定型業務の自動化

経理業務には、毎回同じ手順で行う単純作業が数多くあります。たとえば、売上データをExcelファイルから会計ソフトにコピーペーストする作業や、銀行から入金があった際に売掛金と照合して消し込む作業などです。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、人間がパソコン上で行う操作手順をロボットに覚えさせ、代わりに実行してもらう仕組みです。複数のシステムにまたがる作業でも対応でき、人間と違って365日・24時間休まず正確に作業を続けられます。導入すれば、単純ミスもなくなるため、業務品質にも寄与します。

外部リソースの活用

一部の経理業務を外注することも、有効な選択肢の1つです。記帳や請求書作成といった定型業務を専門業者に依頼すれば、人件費を変動費化できるでしょう。また専門業者には、経理のプロが在籍しています。そのため、自社の経理担当者が退職した場合の業務停滞や、経験の浅いスタッフが担当することによる処理精度の低下といったリスクも回避できます。

また、決算期などの繁忙期には、経理関係の業務が増える企業も多いでしょう。外注をしている場合には、繁忙期の業務量増加にも柔軟に対応してもらえるため、社内リソースの負担を軽減できます。

経理効率化の進め方3ステップ

効率化の取り組みを成功させるには、段階的なアプローチが不可欠です。以下のステップに沿って進めることで、リスクを最小化しながら効果を得られるでしょう。

STEP1:現状分析とボトルネックの特定

まずは、すべての業務をリストアップして、業務に費やす時間を計測しましょう。そのなかで、とくに時間がかかっている「ボトルネック業務」を特定します。また、業務を見える化することで、感覚的に「忙しい」と思っていた作業の実態が、数値で分かるようになります。その結果、重要度の低い業務に、多くの時間を費やしていることが判明するケースも少なくありません。現状の分析によって、効率化の優先順位が明確になり、限られたリソースを効果の高い改善に集中させられます。

STEP2:特定業務・特定部署からの試験導入

経理業務を効率化する際には、全社で展開をせず、影響範囲の小さい部署や特定の業務から行うとよいでしょう。小規模な範囲で試験的に効率化することで、本運用で生じる可能性のある課題や、従業員の反応をチェックできます。業務効率化による混乱や不具合が発生しても、スモールスタートであれば、影響を最小限に抑えられるでしょう。また成功事例ができることで、他の部署からの理解と協力も得やすくなり、全社で展開した際の抵抗も軽減しやすいでしょう。

STEP3:全社展開と定着化

スモールスタートとして、試験導入で得られた改善点を反映させます。その後に、全社へ展開する流れがおすすめです。その際には、マニュアル整備や社内説明会を通じて、新しい業務フローを定着させます。また、システムを導入して終わりではなく、従業員が業務に慣れるまでのサポート体制も用意すると安心です。定期的な使用状況の確認や、困った時の相談窓口を設置することで、スムーズな移行を目指せます。

効率化の鍵を握る「税理士」と「経理アウトソーシング」の役割分担

経理業務を効率化させるには、専門家の力を借りて、適切に役割分担することがおすすめです。外部への依頼を考えた際に、税理士への委託と経理アウトソーシングという2つの選択肢があるでしょう。
ここでは、税理士と経理アウトソーシング業者について、それぞれの特性を踏まえ、どのような業務をどちらに任せるべきかを解説します。

税理士に依頼すべき「独占業務」と「高付加価値業務」

税務申告や税務相談は税理士の独占業務であり、法律上、税理士でなければ対応できません。また、節税対策や経営助言といった高度な業務についても、税理士の専門性を活用することが効果的です。

税理士は豊富な税務知識を持っており、複雑な税法の解釈や将来を見据えた税務戦略の立案が可能です。さらに、経営改善に向けた財務分析や業績向上のためのアドバイスなど、戦略的な支援も期待できます。高度な専門性と判断力が求められる業務を代行してほしい場合には、税理士に依頼するとよいでしょう。

アウトソーシングに任せるべき「定型業務」とコストメリット

記帳入力や給与計算などの定型業務については、コストパフォーマンスに優れた経理アウトソーシングが適しています。専門的な判断を必要とせず正確性とスピードが重視される作業では、専門業者の方が効率的に処理できるケースも多いでしょう。具体的には、請求書の入力作業や仕訳の起票・従業員の勤怠集計といった、反復性の高い業務が該当します。

また、アウトソーシング業者は、専任スタッフを雇用するよりも低コストでサービスを提供できることが多いでしょう。中小企業にとって、人件費削減の効果も期待できます。

経理業務の外部委託は二見達彦税理士事務所にお任せください

経理業務を効率化すると、担当者はコア業務に集中しやすくなります。また、ミスの削減や働きやすい職場環境の実現まで、多方面にわたるメリットを得られるでしょう。ただし、現状を適切に把握し、段階的に進めることが大切です。
また、業績向上のためのアドバイスや、戦略的な支援まで期待する場合には、税理士への依頼がおすすめです。二見達彦税理士事務所では、税務申告や節税対策などの専門業務から記帳代行まで、お客様に合わせた柔軟なサポートをご提供しています。まずは現在の経理業務の状況をお聞かせください。一緒に、より良い経理体制を築いていきましょう。

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